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http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200702280140.html
中国新聞より引用


いずれも十代の少年少女の命が失われた。高層マンションから壁を乗り越え、地面に転落する。あるいは自宅から道路に飛び出してトラックにはねられる。理由は分からない。共通しているのは、インフルエンザの治療薬「タミフル」の服用後だったことである。原因の特定を急ぐのは当然だが、因果関係の解明を待つだけでは、繰り返す悲劇を防げまい。

 きのう未明に仙台市内でも、前日からタミフルを服用していた中学二年生の男子生徒(14)がマンションの十一階から転落死した。二〇〇四年以降、岐阜、愛知、沖縄各県でも同様の事故が起きていた。「タミフルの服用が幻覚や錯乱を引き起こし、異常行動につながったのでは」との疑いはこれまでにもあったが、厚生労働省は因果関係を認めず、医師らの間でも見解が分かれている。

 仙台の事故を受けた柳沢伯夫厚労相の発言は歯切れが良くなかった。「因果関係が解明されれば、専門的な検討はしなければならない」と控えめだ。解明前での注意喚起を求める指摘に「医薬品なので根拠がしっかりしている必要がある」と慎重姿勢を崩さない。

 及び腰になる事情は分かる。〇一年にスイスから輸入し国内販売が始まったタミフルはA型、B型どちらのインフルエンザウイルスでも増殖を抑えることができ、発症から四十八時間以内に服用すれば高熱が下がり、回復が一日程度早まる効果があるという。〇二~〇三年の冬場には極端な品薄になり、以後、厚労省や自治体が備蓄を進めてきた。

 今後の大流行が懸念される新型インフルエンザ対策では第一号患者が発生した場合、家族らに抗ウイルス薬としてタミフルを集中投与する案が示されているほどだ。副作用問題が生じれば、別の対策が必要になる。販売する製薬会社への配慮があるかもしれない。

 一方で厚労省のホームページは安全性情報として、タミフル投与後の幻覚症例(十代女性)を掲載。「走り始め、窓から飛び降りようとした」「奇声を発した」などと記す。こうしたケースを詳しく分析したのかどうか。

 厚労省の研究班は現在、新たに一万人を対象に因果関係を調べていると聞く。結果を待ってからでなく、処方する医師や薬剤師には患者への十分な説明が求められよう。子どもを失った遺族らは「親は服用した子どもから目を離さないで」と訴える。心したい。

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